2019-20年ヴロツワフ大会:12/30 夕の祈りのメッセージ
以下は、テゼのヨーロッパ大会(ポーランドのヴロツワフ)で青年たちに語られた言葉です。
ブラザー・アロイスのメッセージ
2019年12月30日(月)/夕の祈りにて
「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。」(創世記2:7-9, 15)
先ほど聖書のはじめの数ページから一節を読みました。天地創造に関するこの詩的な記述は、人間がこの世界で担う責任、地球を大切にし、保護するという責任を強調しています。この責任は神から人類に委ねられています。
若者の皆さんに感謝し、励ましたいと思います。皆さんはこの責任をとても真剣に受け止めておられます。皆さんのなかには、環境保護、生物多様性の保全、ライフスタイルの簡素化のための具体的な取り組みに携わる方がとても沢山おられ、その姿に私たちはテゼで感銘を受けています。
この責任があまりにも軽んじられてきたことについて、私たちは同世代の人々とともに、皆さんに許しを請わなければなりません。消費主義があまりにも拡大し、幸せとはモノを消費することだけによって決まるかのように幅をきかせています。若い皆さんが、ライフスタイルを変えるよう、私たちを励ましてくれています。より地に足の着いた、本質的なものに焦点を当てた生活となるように、と。
明朝、皆さんは「テゼからの提言 2020年」を読み、気候変動と環境問題の緊急事態に直面するなかにあって、さまざまなキリスト教の教派がともに立ち上がり、共通のメッセージを発信することが可能だということを学ぶでしょう。そうです。このエキュメニカルな(教派を超えた)新しい取り組みには、ともに協力、団結するようにという美しい招きがあります。
こうした現代の大きな課題に対処するには、どこで支援を得られるか知る必要があります。この数日、私たちは「つねに前へ進む。大地から離れることなく」という言葉にインスピレーションを得ようとしています。つねに前へ進むことは、ずっと不安定な状態のまま生きるということではありません。私たちは、変わることのない現存(リアリティー)に自分たちの根を張ったままにしておく必要があります。
最近、私はテゼに数か月滞在しているボランティアの一人と話をしました。彼女は日本から来ており、福島でも知られる東北の地で津波の被災者を支援する活動に参加していました。彼女の言葉が耳に残っています。「そこにいた多くの人々が土地を離れ(uprooted)、すべてを失いました。」
苦しみを目の当たりにして、私たちは、ときに自分がとても無力だと感じます。祈りはつねに私たちのために開かれた道であるということを忘れないようにしましょう。他の人や自分が受けている試練を神に委ねることで、何が変わるでしょうか。私たちには分かりませんし、幸いなことに、神が私たちの祈りにどれほど厳密に応えられるのかを推しはかることはできません。神は私たちの計算をはるかに超えておられます。
しかし、一つ確かなことがあります。すべてを神に委ねることで、私たちは隣人と深い連帯を結ぶことができます。私たちは、試練を受けている人々とともに今日苦しんでおられるキリストご自身の連帯に結びつけられています。祈ることは、私たちを前へと進ませ、私たちに他人と自分自身に対する責任を担わせます。
祈り始めるとき、祈りに集中できないことがあるかもしれません。または、言葉にはつねに難しさが付きまとうと感じるかもしれません。そんな時には、私たち自身の心の一番奥にキリスト・イエスがおられ、私たちのことを分かっておられることを思い出しましょう。私たちの祈りはとてもつたないものかもしれません。しかし、イエスは私たちの心を知っておられます。勇気を出して、一人で、または他の人たちとともにささげる美しい祈りの中で、イエスと安らぎのひとときを過ごしてみましょう。
この晩、私たちを歓迎してくれているすべての人々、特に巡礼者を泊めるために家の扉を開いてくださった皆さん、そしてヴロツワフのキリスト教コミュニティーの指導者の皆さま、行政当局の方々にいま一度感謝いたします。一部の方々は、今晩私たちと一緒にここにいてくださっています。
信頼の巡礼は続いてゆきます。一年と少しのちに、完全に特別な新たな巡礼の機会が予定されています。さまざまな国の若者と一緒に行く、聖地への旅です。これは2021年2月に行われます。昨年3月にベイルートで開催された大会の後、中東に平和を求めるすべての人々との連帯を示したいと思います。
その直前には次回のヨーロッパ大会が予定されています。今度私たちが集まるのは、皆に愛される国です。ヨーロッパ大陸の南の方へ戻ります。2020年12月28日から2021年1月1日まで、トリノで開催されます。
<ライブ中継の様子>
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